鯉のぼりのウンチク

こんにちは。野場貴之です。今回も、勝手ながら「私事」をつぶやかせて頂きます。


5月といえばGWですね。5月5日はこどもの日。端午の節句で有名な「鯉のぼり」の歌がありますよね?あの歌は実は色々な歌詞があるそうなのですが、一番有名な歌詞で「屋根より 高い 鯉のぼり~」と始まる歌がありますよね?そして「大きい 真鯉は お父さん~」と続きます。そして「小さい 緋鯉は 子供達~」と続きます。そして、「面白そうに 泳いでる」と終わります。まず、真鯉と緋鯉の違いですが、真鯉は黒っぽい本来のコイを指し、緋鯉とはコイの一品種で、赤や赤黄色、斑紋のあるものなどさまざまなようです。歌の歌詞には出てきていませんが、「実際の鯉のぼりの赤い大きな緋鯉」がお母さんに該当していると言えます。


昔からこの歌で不思議に思っている事があります。そうです。それは「歌詞にはお母さんが出てこない」という事です。その事についてネットで色々と調べましたら面白い事がわかりました。お母さんが出てこない理由は「歌ができた時の時代背景」が原因でした。この歌が作られたのは1910年で、作曲者は不明ですが、作詩者は近藤宮子さんという女性です。今から100年以上昔の1910年は明治43年になります。その頃は「選挙権が一部の権力者しかない」「言論の自由、結社の自由、集会の自由がない」「ストライキできる権利がない」「男女平等もちろんない」「部落差別がある」といった時代でした。「女性が公に出るなんて、滅相もない!」といった時代背景の中で作られた歌ですので、お母さんが歌詞に出てこないようです。近藤宮子さん自身も男性を立てて、自分は陰から見守るという考えの持ち主だったそうです。そのような理由です。


さて、もう一つウンチクをお伝えします。鯉のぼりの真鯉の上にイカのような飾りがありますよね?あれは「吹き流し」と言う名前だそうです。あれは五色の布なのですが、鯉のぼりの風習が中国から来たのと同様に、「吹き流し」も中国の陰陽五行説が元です。陰陽五行は「陰陽道」と「五行思想」の考え方がミックスされた物で、『この世の全ての物は「陰・陽」の2つの気と、「木・火・土・金・水」の5つの要素(五行)で成り立っている』という思想です。五色の布を五芒星に見立てることにより陰陽道でいう「魔除け」を意味します。あと「吹き流し」の上に、カラカラと回る矢車もありますよね?これも同様に「魔除け」の意味です。「吹き流し」も「矢車」も、男の子の無事な成長を祈るのに欠かせない役割をしております。