研究

こんにちは。野場貴之です。今回も、勝手ながら「私事」をつぶやかせて頂きます。


少し前の話ですが、ネットのニュースで、関心させられるニュースがありました。それは中学生が「自分が興味を持った事」を熱心に研究しているという内容でした。その中学生は「ダンゴムシ」がとても好きで、ダンゴムシの研究をずっと続けているみたいです。既に分かっている事実として、ダンゴムシは障害物に当たった時に、最初に右に曲がったとしたら、次に障害物に当たった時は左に曲がるらしいのです。つまり、障害物に当たるたびに左右交互の方向へ進むらしいのです。これは交替性転向反応のいう性質で、アリなどの外敵に襲われて逃げる時に、もし適当に左右を曲がって逃げると元の位置に戻ってしまう可能性が有ります。しかし、必ず左右交互に曲がりますと、絶対に元の位置には戻りません。外敵から最も遠ざかる逃げ方になります。この事実は随分昔から研究されていたらしいのですが、「この動きに例外が起こる」という事実を中学生が発見してしまったのです。それは、左右交互に曲がって逃げている途中、本来の曲がる方向とは逆の角に「腐敗土」を置いた場合、交替性転向反応に従わずに腐敗土側へ曲がって身を隠すというのです。私はこの研究を聞き、関心しました。研究結果というものは普通、いざ聞いてしまえば「そうなんだ。へぇ~」と思っておしまいですが、それを発見するためには膨大な時間がかかります。ちなみにこの中学生のダンゴムシ歴は6年だそうです。発見というのは発見として有効な数%の部分、発見とは無縁で無駄になった約99%の部分から成ると思います。もしかしたら本人からしてみたら「研究をしている」というつもりは無く、ダンゴムシが好きで飼育していて好きで交替性転向反応の様子を見ていたら偶然、発見してしまったのかもしれませんが、どちらにしても私的には「熱心に没頭する」「数年かけて没頭する」という姿勢には、ただただ関心するばからり、尊敬するばかりです。


他のネット記事で「研究者」の事が書かれていましたが、彼らの悩みの一つに「勉強したくても勉強できる本が存在しない」「セミナー講座を受けたくてもそんな講座は無い」というのがありました。それは、「そのとても細かい部分限定の分野において、彼ら以上にその道に詳しい人は既に誰もいない」「彼ら以上に時間をかけて研究している人は既にもう誰もいない」とのことらしいです。そんな彼らができる事は、膨大な数の実験を行い、その実験の条件を僅かに変えて、「成功する共通点」や「失敗する共通点」を発見するという、とても地道な作業だと思います。「主観や先入観を入れずに、ただただ淡々と事実確認をする」そうです。そんな地道な作業を続けられる人を、私は本当に尊敬します。