2017年12月の健康情報 飲酒がもたらす代表的な病気
こんにちは。野場貴之です。本格的に寒くなりましたね。12月はクリスマスや忘年会など、集団で飲食する機会が増え、飲酒関連の救急搬送が多い時期です。これを期に、飲酒がもたらす代表的な病気を知っておきましょう。
■痛風予備軍はビールに注意!
飲酒との関係が指摘されている生活習慣病に痛風があります。主な症状は、激烈な痛みを伴う関節炎です。局所の温度が低下しやすい足の親指が好発部位です。血液検査で尿酸値が高いと痛風発作が起こり易くなりますが、血中濃度に男女差があり圧倒的に男性に多い病気です。尿酸の元となるのは「プリン体」という物質です。アルコールを飲むことで、利尿効果があっても尿からの尿酸の排泄が抑制されてしまいます。これによって、体内で尿酸が高くなってしま
います。プリン体が多く含まれている飲料としてはビールで、尿酸値が高くてビール好きのいわゆるビール党の人は痛風発作を誘発しやすいです。健康診断で尿酸値が高いと指摘された男性はビールの多飲は控えましょう。
■飲酒による脂肪肝は回避不能!
飲酒で避けて通れないのが脂肪肝です。脂肪肝は自覚症状はありませんが肝臓での脂肪の蓄積は進行していきます。血液生化学検査でγ-GTP が増加してきた場合は要注意です。この場合は肝臓が悲鳴があげている状態なので、断酒とはいいませんが、減酒が必要となります。少なくとも年一回は肝機能検査を受ける事を薦めます。
■習慣飲酒するとビタミン B1 不足に!
習慣飲酒している人で不足がちとなるビタミンがあります。肝臓でアルコールを分解する場合、飲酒量が多いとアルコール分解酵素だけでは処理が追いつかず、本来は薬剤などを分解する別の酵素を使って分解することになります。この酵素を使う時に、体内のビタミン B1 を消費されます。そのために習慣飲酒をしている人は、潜在的にビタミン B1 不足気味です。ビタミン B1 が多い食品はなんといっても豚肉です。習慣飲酒をしている方は一日一品は豚肉を使った献立を取りましょう。